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美術館概要
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ご挨拶
 
 
美術・文化の振興に貢献したいと深く念願しております。
 北信濃の山塊に囲まれた善光寺平長野市の静かな郊外にある当美術館は、父吉登と私の長年にわたるコレクションが土台となり、昭和43年3月開館しました。
 北野家では、かねがね美術品は文化財であり、美術館を建設し広く公開することにより、信州の地域文化向上に資したいと念願しておりました。そこで美術館の設立、美術品の展示について河北倫明先生にご指南を仰いだ次第です。
 当美術館の所蔵品は、日本画・洋画・彫刻・書跡・工芸品等で600点余に及びます。特に日本画、洋画のなかには日本の近代絵画史上貴重で珍しい多くの作品があるほか、海外巨匠の作品収集とりわけ彫刻作品につきましても力を注いでおります。これら所蔵品を四季により入れ替え、明治から昭和への近代日本美術の姿と共に、泰西の名画と彫刻の秀作を鑑賞して頂いております。
 周囲の山並みを考慮し砂岩を外壁に用いた当美術館の設計は、皇居新宮殿の基本設計をはじめ著名な作品を残されました文化功労者の吉村順三先生に拠るものであります。
 エントランスまでの緩やかなスロープを登りきると、そこに作庭家として著名な重森三玲氏の設計になる枯山水、海景を構成した日本庭園が現れ静謐な佇まいをみせており館内の随処よりその景観を望めます。
 今後も内外の新しい作品の収集およびユニークな企画展示を実施し、一層の充実を図ることにより、美術・文化の振興に貢献したいと深く念願しております。
 
財団法人北野美術館 理事長 館長 北野次登
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北野美術館について
 
 
 北野美術館は昭和43年(1968)3月に開館、はや40余年の歴史を有している。開館の頃、信州、長野県下には美術館は決して多くはなかったが、現在では国内でも有数の美術館の多い地域となっていて県下で私立としては始めての美術館の果たしている役割は大きい。開館時に指導にあたられていた河北倫明先生(故人)は、この地方の美術館の脈流に触れ、そして「美術館施設の増加充実はそうした下地を温かく刺激することになるであろう」と指摘されたが、その言葉どおりの現状となった。こうした状況が形成されるには、北野美術館の存在と、その活動とが果たした役割は大きかったに違いない。近年は、すぐれた美術品は公共の文化財であり、私蔵されることなく、公開されて、文化的芸術的充足感を共有するべきであるとの意識が一般的にも高まってきているが、北野美術館はいち早くそれを実行されたのであった。
 北野美術館のコレクションは、北野家の父子2代の多年にわたる収集品がその基礎となり、その後も着実に積み重ねられてきている。コレクションは公私を問わず基本的にはそれに携わる個人の思想や審美眼から始まり、発展するものであるが、私的なコレクションは公的なそれに比すればはるかに自由と柔軟性をもっている。北野コレクションもまた、古美術から現代美術まで領域は広く、分野も多岐にわたっている。そうしたなかで中核をなしているのは日本の近代絵画である。日本画の竹内栖鳳、上村松園、下村観山、菱田春草、速水御舟、鏑木清方、伊東深水などの作品があり、洋画ではルノワール、シャガール、ボナール、ピカソと言った世界的な名画及び木村荘八、小出栖重、岡鹿之助などがある。また近代彫刻、さらには武具類など、鑑賞者の自由な好尚に対応できる幅の広さである。こうしたこの美術館の特色が生かされて、これからも信州文化の充実発展に寄与していくにちがいない。
 
元横浜美術館館長
北野美術館運営委員会 委員長
陰里 鐡郎
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北野美術館庭園について
 
 
竣工/昭和40年6月中旬 完成/昭和40年9月20 設計造園/重森三玲
 海に恵まれない信州のことですから、枯山水としての海景を構成してみました。約140坪ほどのやや正方形に近い地割をもって、四周に丹波鞍馬の赤石を州浜形に敷き詰め、周遊出来るように作りました。そしてところどころ青小平石を配し、青棒状石を網代式に敷詰め、曲線による変化の多いデザインにしました。
 これらの州浜形の敷石は、独自の創作で、古くから日本庭園の池庭にはよく用いられたものです。つまり実用と景とを兼ねた創作の敷石です。
 そして中央部には、この附近の山々の稜線を思わせる築山を構成し、ローカルを強調しました。これらの築山は中央部と西部に大きく出島となり、その出島が交錯して変化を見せ、更にまたこの築山に杉苔を植栽し、海洋の景を象徴する地面の白川砂(京都産)と対比して美しさを増します。なお本庭には阿波産の青石の巨石を用いて立石に組み、石組と石組との有機的な構成を保ちつつ剛健さを表現しようと試みました。黒松は高松産の老木で台杉は京都産です。
 
重森 三玲
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